有栖川ひまり話でした。予告を見た時、率直に言って、TVのオーディションに彼女を出す展開はどうなのだろうか、と不安がありました。
しかしながら、それが杞憂に終わるほど、このTVオーディション設定で有栖川ひまりの良さを描いていた印象に残る話でした。
そして、想像を絶するオーディションの決着に驚かされた話でもありました。
冒頭、キラパティでクラスメートに「有栖川さん、変わったね」と言われるところから始まります。一方で、それを聞いて不思議そうな顔をする宇佐美いちか、という描き方が面白いと思いました。
そして、TVのオーディションに出る流れになるのですが、そこで、応援に来ていた琴爪ゆかりと剣城あきらがスカウトされたり、キラ星シエルが出演を求められて逃げ回る、などと面白い逸話が織り交ぜられていました。
また、OPとEDを歌っている二人が自分役で出演していました。EDの宮本佳那子さんは、「ドキドキ」で剣崎真琴として出演していました。プリキュア役をやった声優さんが、後の作品で別のキャラ役で出演、というのはシリーズ史上初では、などと思ったりしました。ちなみに、宮本佳那子さんの髪の毛は紫でしたが、そこまでやるなら、内山夕実さん演じる眼鏡のマネージャーも出してほしかった、などと思ったりもしました。
それはともかく、肝心のオーディションでは、有栖川ひまりは「ホイップクリームをかきまぜる真似」を指示されます。しかし、語りながら、同じホイップクリームでも用途によって作り方が違うのに、これではわからない、などと熱く語りだしてしまいます。
すると、プロデューサー氏に、「それって、いらなくない?」と幼少時のトラウマになった言葉を言われてしまい、我に帰って落ち込んでしまいました。
仲間たちに気遣われる有栖川ひまりですが、「変わりたい」「自分を好きになりたい」という思いの強さもあり、さらに落ち込みます。
それにつけこもうとしたエリシオが、レシピを書いたノートを焼いて落ち込ませて、心理攻撃をしかけます。
しかし、「スイーツへの深いこだわりで一人ぼっちになった」という攻撃に対し、宇佐美いちかとの出会いやキラパティでえた友情や経験を思い出し、攻撃をはねのけました。
そして、勝利して変身を解こうとした直後、たまたま次のオーディション出演者がリスの着ぐるみだった事から、ADに間違えられて再びオーディションに出ることになります。
この奇想天外すぎる展開には、驚きを通り越して感激してしまいました。
そして、有栖川ひまりは、今度は実際に生クリームと氷水を使ってホイップクリーム作りを実演します。さらに、プロディーサーからツッコミを入れられたら正面から反論しました。
そして、キュアカスタードの能力である、高速移動をその反論に取り入れていました。
有栖川ひまりの「変わりたい」という思いと、実際に変身できる事の組み合わせが絶妙だと思いました。同時に、このような形でプリキュアの姿・能力を使ったことにも感心させられました。
改めて、このシリーズの発想力の凄さに驚かされました。
そして、帰りのバスで、「変わりたい」「自分を好きになりたい」の二つを達成して、幸せな表情を見せる、有栖川ひまりを描いて話は終わりました。
有栖川ひまりの良さを、「キュアカスタード」も含めて、最大限に描ききった、心に残る話でした。
特に、あの想像を絶する「二度目のオーディション」は一生忘れられないと思っています。
プリキュアの能力の活用方法としては、掃除に使おうとした来海えりか以来の衝撃でした。
欲を言えば、回想で商店街イベントの描写を入れてほしかったのと、二度目のオーディションで、プロデューサーに「その話、いらなくない?」と語らせて、それを論破する描写があれば、とは思っています。
ただ、これは話が素晴らしすぎて、より完璧にしてほしいがためのものであり、この話の良さ毀誉褒貶する気は毛頭ありません。
有栖川ひまりは、自分のプリキュア歴の中でも、かなり強い印象を与えてくれたキャラです。その彼女の良さを、ここまで描ききってくれたスタッフには心より感謝したいと思っています。