暗い要素を一切排し、「笑い」に徹した、異色かつ、このシリーズの特色を最大限に活かした映画でした。
映画オリジナルキャラである「敵」の設定や技なども面白く、またプリキュアアラモードの面々とうまくマッチしていました。
TVシリーズでも様々な独自性を発揮している本作ですが、映画でもその独自性を存分に発揮していました。
自分的に、一番心に残ったのは、ペンギンに変身させられた有栖川ひまりの描写でした。
最初、素早く走る・木登りが得意、というったリスの特性が使えなくなって戸惑うのですが、直後にセーヌ川に飛び込み、ペンギンの潜水能力を活かして反撃を始めます。
この「別の動物に変身させられる」において、他のプリキュアは、何もできないか、なんとか最小限の反撃をする、という対処でした。
その中で一人だけ、積極的に変身させられた動物の特性を活かして攻撃した、というあたりに、有栖川ひまりの「小さな天才」ぶりが存分に発揮されていたと、感心させられました。
一方、大変残念だったのは「魔法使いプリキュア」組の登場でした。率直に言って、何の意味があったのかわかりません。もし「メインキャラのピンチを陰ながら助ける」というキャラを出したいのならば、今回出番が少なかった高校生コンビを別行動させてその役割を担わせればよかっただけの話です。
ただでさえプリキュアが6人と多いのに、さらに前作の3人を出す意味が全くもってわかりませんでした。
「魔法使い」TV最終回に、宇佐美いちかを出した「引き継ぎ」は斬新で感心させられたものでしたが、この演出は、それと正反対の気分になりました。
このような事は今回を最初で最後にしてほしいものです。
それはともかく、今回の敵キャラ「クック」は様々な点でプリキュア映画史に残る存在でした。
序盤から様々な形で「悪事」を行っているのですが、それとジャン=ピエールの前での言動が矛盾していない事が凄いと思いました。
要は、「あけっぴろげ」なわけです。
また、その正体や、背景を暴く担当に、琴爪ゆかりを使ったのも上手いと思いました。
その鋭さで、明確に本質を明かしてくれたおけげで、余計な説明なく、彼女を「ラスボス」と自然に認識させるといった描写には感心させられました。同時に、これまでTVで描いていた琴爪ゆかりの特性を非常に巧く活かしていたと感心させられました。
あと、彼女が操った「お菓子をベースにした怪物が、パリの建物をお菓子にしてしまう」という描写には、イヌカレー空間に通じるものを感じました。
これまで、TVでもなんどか「魔法少女まどか☆マギカ」のオマージュを感じるものがありました。それだけに、悠木碧さんを起用したキャラに、その集大成をやらせた、という事も印象に残りました。
とにもかくにも、最初から最後まで、喜劇もしくは「キャンプ」を貫いた、という異例のプリキュア映画でした。
今後のTVも、ぜひ、このコンセプトを貫き続けて最終回まで突っ走って欲しいものです。改めて楽しみになりました。