「アラモード」第23話

 新プリキュア登場話でした。
 これまでも、様々な形で、「シリーズ途中で新プリキュア登場」という展開がありました。
 しかしながら、このキラ星シエルのプリキュア変身は、そのどの類型とも異なるものでした。
 その理由として、彼女が幼い頃からプリキュアを目指していた事ならびに、一緒に頑張っていたピカリオへの想いがあった、という事があります。
 その彼女が味わった絶望並びに、それを命がけで救ってプリキュアに押し上げたピカリオの描写により、これまでと全く違う「新プリキュア登場」を描けたのだと思っています。
 同時に、その「引き立て役」を担った宇佐美いちか並びに、さらにその脇役的な位置づけになりながらも、存在感を示した四人の描き方も秀逸でした。特に、毎度ながら、琴爪ゆかりの強烈さと、有栖川ひまりの「いちかちゃん…」は印象に残りました。
 さらに、「やられ役」であるビブリーの心情や想いまできっちり描かれており、これまでの「新プリキュア誕生話」とは違う、新鮮なインパクトがあり、大変楽しめました。
 なお、ここから先の感想は、普段のものと違い、極めて個人的な思い込み・思い入れを二つにわたって書いています。
 というわけで、普通にプリキュアの感想を楽しんでいる方にはあまりお勧めできません。
 引き続きお読みいただく方は、そのへんをご理解のうえ、よろしくお願いいたします。

 今回の描写で強く印象に残ったのは、キラ星シエルの心の中にあるキッチンでした。そこには、彼女の髪飾りが樹木のようになっています。
 そこで、心を閉じ、ガラス片に映ってスイーツ作りを否定するキラ星シエル、という描写には、あの「魔法少女まどか☆マギカ」に登場した、「イヌカレー空間」を連想させられました。
 同様に、キラ星シエルの絶望にまつわる描写についても、「魔法少女まどか☆マギカ」の8・9話を思い出させるものがありました。自分の勝手な思い込みなのでしょうか、今回の話は、あの話のオマージュだと感じました。
 前半でのキラ星シエルは、「あたしってほんとバカ」でした。また、絶望した状態でのピカリオに対する言動は「一人ぼっちは寂しいもんな、あたしが一緒にいてやるよ」に通じるものがありました。
 そして、そこで滅びずに、プリキュアになった、というのが、似たような題材をプリキュアで描いたらこうなる、というのを巧く示していたと思いました。
 勝手な思い込みなのでしょうが、改めて、この「プリキュアアラモード」並びに、「魔法少女まどか☆マギカ」の8・9話がさらに好きになりました。

 そして、前回もちょっと書きましたが、キラ星シエルの「弟の本心を理解できていなかった事を知り、苦しむ」という描写は、とても他人事とは思えませんでした。
 特に、それを知って、がっくりと膝を地面につけてうずくまった描写については、自分が同じ苦しみを得た時に、全くもって同じ動作をした事を思い出してしまいました。
 それだけに、今後、キラ星シエルピカリオがどういう運命をたどるのか、非常に気になっています。できる事なら、笑顔で再会を果たしてほしいものですが…・。