「魔法つかい」第46話

 クリスマス話でした。実はサンタは、魔法つかいと、フィンランドなどに住む「ナシマホウカイ」サンタが協力して、二つの世界の子どもたちにプレゼントを配る、という設定でした。
 そして、プリキュア三人がサンタとなって、それぞれの世界の子供達にプレゼントを配る、という筋立てでした。
 一方、勝木かなが、色々な意味で最高のクリスマスを過ごした話でもありました。

 プリキュア三人のサンタについては、どちらかと言うと、淡々と「業務」をこなしていた、という感じでした。
 一応、魔法界で、母親に叱られた子どもを元気づけた、というという逸話もありましたが、そこでの会話も、やや紋切り型みたいな感じでした。
 とりあえず、視覚的に、サンタコスの三人が、ソリやホウキに乗ってプレゼントを配る、というのは楽しめました。あと、津成木町で配った時、インターフォンを押し、出てきたお母さんが「今年は可愛らしいサンタさんですね」と言った描写は、面白いと思いました。

 というわけで、淡々とサンタ業務を三人がこなすのと対象的に、インパクトが強かったのが、勝木かなでした。
 初登場の時から、魔法つかい目撃に強いこだわりを見せてきた彼女ですが、その理由が克明に描かれていました。
 もともと、不思議なものを目撃する傾向があったという事がまず明かされます。しかし、話した時は、皆に注目されますが、証拠がないので、やがて皆に嘘でないかと疑われてしまう、という幼少時の辛い思い出が原点だったわけです。
 その自分の「目撃」について、別のものでないかと冷静に分析している一面も描かれていました。そうやって理性的に認識しながらも、「魔法つかいと会う」という夢を置い続け、サンタにも手紙を書いたわけです。
 あの「魔法つかい目撃」のこだわりに、これだけしっかりした設定がされていた事ならびに、彼女の描き方の丁寧さに感心させられました。
 また、最初、サンタへの手紙やその内容についてちょっと引いていた長瀬まゆみが、話を聞き終えたあと、「その願い、サンタさんに届いていると思うよ」と優しく言ったのも、印象に残りました。
 そして、ベニーギョに遭遇し、プリキュアも現れます。この時、、勝木かなが逃げようとしたものの、長瀬まゆみが足がすくんで動けないのを見ると、すぐに引き返す、という描写がありました。これも面白いと思いました。

 そして、闘いが終わり、同時に、勝木かなは、ついに念願の「魔法つかいと対面」を実現することができました。
 その際、プリキュアたちの、正体は秘密にしてほしいという要望を二つ返事で引き受けます。
 彼女の願いが純粋に「魔法つかいの存在を実証すること」であり、正体の詮索など全く考えていない事がよく伝わってきました。
 そして、長瀬まゆみは、先に魔法つかいの姿を発見し、自分の事であるかのように熱心に追っていました。そして、念願がかなった勝木かなに対し、我が事のように喜んでいました。
 最後の、二人で帰る時の会話も心に残りました。念願がかなった事を祝福された勝木かなは、その御礼を言ったあと、「それに、もう一つわかった事があるし」と言います。
 それを尋ねられると、声量を落として、「やっぱり信じてくれる人がいるっていいな」と言いながら、長瀬まゆみと手をつなぎました。
 聞き取れなかった長瀬まゆみが「なんて言ったの?」と尋ねますが、「ひとりごとー」とごまかします。
 幼い頃から、「目撃」を理解されなかった彼女が、ついに理解してくれる友達を得られたという喜びを、非常に印象深く描いていると、感心させられました。

 勝木かなというキャラは、当初、「プリキュアたちの魔法つかい姿を目撃して驚くためのキャラ」という位置づけなのだろうな、と思っていました。
 しかし、出るたびに存在感が増し、後半では、メインの四人以外で唯一となるOP登場まで果たしました。今回の話でも、プリキュア達より描写に力が入っていたように感じました。
 プリキュアシリーズの歴史に残る一般人キャラの一人になったな、と思いました。
 さて、次回は年明けでいよいよ最終決戦の始まりとなります。
 毎年のことですが、「ひたすら闘い」にならないような1月となることを願っています。