なかよし2016年6月号「魔法つかいプリキュア」

 アニメと同様、リコが人間界に来た話でした。
 なお、リコも含め、「ナシマホウカイ」ではなく、人間界と呼んでいました。
 冒頭、モフルンとハーちゃんとともに、昼寝をする二人ではじまります。
 この絵に象徴されるように、この四人の「家庭生活」を描いた話でした。

 話の冒頭で、ちょっと驚いたのは、「この子を元気に育てたい!それにリコちゃんは人間界を知らないから、わたしが大黒柱としてみんなを支えなきゃ」と朝日奈みらいのモノローグが入った事でした。
 これまで、リコの心境は色々描かれても、朝日奈みらいの心境は描かれていませんでした。それだけに、このような決意を描いたのは新鮮に思いました。
 そして、夕食後、二人で明日の予定を立てます。ここで、リコは自分の勉強のみならず、ハーちゃんをいかに英才教育するかまで論じるという「教育ママ」ぶりを発揮していました。
 一方、朝日奈みらいは、ただハーちゃんをひたすら可愛がります。なんか、「パパとママ」という雰囲気でした。
 翌朝、リコが新聞を読み、朝日奈みらいがお茶を入れて茶柱が立っているのを喜ぶ、という昨晩とは「パパ」「ママ」が入れ替わったような「家族の風景」になります。
 ちなみに、昨晩、リコは「「人間界の文字でさえまだ勉強中」と言って国語の教科書を読んでいました。それが翌朝には新聞を読みこなしているわけです。驚異的な上達と言わざるを得ません。細かい所で、彼女の秀才ぶりを描いていた事に感心しました。
 そして、朝日奈みらいが遊びに行く事を提案しますが、リコは「ハーちゃんの教育番組、それと報道番組も見逃したくない」と言って、帰宅時刻を指定するなど、「教育ママ」ぶりを発揮していました。
 そして、牧場で自転車に乗ったり動物と遊んだりしたあと、イチゴ狩りに行きます。
 ここで、朝日奈みらいは、リコを楽しませるために、隠れて魔法を使い、イチゴを増やします。
 その結果、イチゴ狩りを一層楽しめる事になった、リコやハーちゃんを見て喜んだ朝日奈みらいは、さらに魔法でイチゴを増やしました。
 ところが、さすがにおかしいと周囲にバレてしまい、追い回せれてしまいます。
 何とか逃げ延び、物陰に隠れます。そこでリコは、なぜ魔法を使ったのかを尋ねました。
 すると、朝日奈みらいは、ちょっと涙を浮かべて「だってぇ~ガッカリさせたくなかったんだもん。魔法界でワクワク体験をしたわたしみたいに、リコちゃんとハーちゃんにも人間界を好きになってほしかったの~」と言いました。
 先ほど、隠れて魔法を使った時もそうですが、この時の朝日奈みらいの表情は、これまで一度も見せなかったような複雑なものでした。
 さらに、帰宅してから、朝の「茶柱」も魔法でやった事だと告白し、謝ります。
 するとリコは、ちょっと呆れた表情で「なにやってんだか」と言います。しかし、直後に笑顔でハーちゃんをあやしながら、「ムリして魔法で飾り立てなくても、すごく楽しくて、ステキな世界だわ…て感じてたのよ」と言いました。
 あわせて、朝日奈みらいの魔法の上達ぶりをほめたりもしていました。
 その後、ハーちゃんの成長描写で話は終わりました。

 朝日奈みらいとリコ、さらにはモフルンとハーちゃんの「家族」っぷりが、かなり深く描かれたのに驚かされました。
 特に、前の版にはリコが「教育ママ」で、翌朝になると、新聞を読みながら朝日奈みらいにお茶を淹れてもらう、という「パパ描写」になった、というのが面白いと思いました。
 そして、今回は、リコはこれまでと違ってあまり考えすぎずに動きます。そのかわりに、という感じで、朝日奈みらいが魔法をつかって「小細工」をし、最後にはリコにバレて謝ります。
 これまで、魔法や魔法界を知った驚きもあって、天真爛漫にふるまっていた朝日奈みらいが、リコが自分の世界に来るにあたって、いろいろと考えすぎたり、小細工をしたりする、という描写が面白いと思いました。
 今後も、これまで描かれなかった朝日奈みらいの人となりが色々と描かれるのでしょうか。
 リコとあわせ、どのようなキャラとして完成していくのか、これまで以上に楽しみになってきました。