DokiDoki第16話

 前回襲撃してきた敵であるレジーナが、正体を隠さず、マナと友達になろうとする、という話でした。
 そのレジーナの奔放ぶりと、それに振り回されるマナはもちろんですが、それを見て怒る真琴、心配したり突っ込みを入れたりする六花、やや傍観的な立ち位置で心配する、ありすと、五人の描き方が印象に残りました。
 シリーズ史上初である異色の設定でした。その設定を最大限に活かした、楽しめた話でした。

 話のほうですが、いきなり、「お笑い」で用いる巨大蝶ネクタイをつけたベールが出てくる、と冒頭から異様な出だしとなります。
 そして、同じく蝶ネクタイをつけたイーラ・マーモと、えらくやる気のなさそうな口調でコントを始めました。

 内容は、イーラとマーモがお互いに「何かボケをやれ」と言いあうところから始まります。
 その「相方」を立てないやりとりを見たベールが「このジコチューが」と言い、二人に「あんたもな」と突っ込まれる、というオチでした。
 しかしながら、それを見ていたレジーナは「つまんなーい」と一蹴します。
 レジーナが三人に「何か面白い事をやって」と命じ、その結果がこのコントだった、というわけでした。
 毎度のわがまま勝手ぶりにイーラとマーモは爆発寸前という感じですが、ベールは相変わらず彼女の父親の事を畏れ、二人を止めていました。
 そんな事は意に介さず、レジーナはこの前の闘いでのマナの事を思い出します。そして、「キュアハート、わたしのものにしてあげる」と言って去りました。
 普段の会話でもちょくちょく使われていましたが、「ジコチュー」を自虐ネタにしたこのコントはかなり楽しめました。
 この前振りだけでも、かなりしっかり作られていると思いました。

 本編のほうは、まず、登校中のマナ・六花・真琴の前にレジーナが現れ、前回の襲撃を詫びた後、マナに「友達にしてあげる」と言うところから始まります。
 襲撃を詫びる敵、というのも前代未聞です。また、それに対して「ごめんで済むならプリキュアはいわないわ」と返した、六花のツッコミセンスにも感心させられました。
 一方、それに対し、マナよりまず真琴が反応します。いきなり変身してマナ・六花も驚かせ、レジーナへ怒りをぶつけます。
 しかしながら、レジーナは「パパがやった事で、あたしは関係ないもん」と他人ごとのように否定し、真琴の怒りに油を注ぐような形になりました。
 しかしながら、マナ・六花、さらにはダビィの説得もあり、真琴は変身を解き、ここでの戦闘は回避されました。
 そして、「友達」のほうに話が戻ります。さすがのマナもかなり驚いた感じでしたが、しばらくすると笑顔で「うん、いいよ」と了解します。すると、レジーナは満面に嬉しさをたたえる、というような笑顔を見せました。
 それを聞き、また真琴は怒ります。そして、マナが本気でレジーナの友達になるつもりだと知ると、「わたし、マナの事がわからない」と言って立ち去ります。
 マナが肩に手をかけても振り払うほどの怒りぶりです。そして、学校に着いても怒りが収まらず、後からマナが入ってきても振り向きもしません。
 落ち込むマナに対し、六花は「まこピーの気持ちはわかってるんでしょ」と言います。マナは「それは分かっているけど・・・」と言い、自分の中でも整理しきれない複雑な心境を語っていました。

 すると突然、教室にレジーナが入ってきます。先ほど、真琴が怒って去った際に「遊ぼう」と言われ、「学校だから」と断り、お互い「またね」と言って別れていました。
 当然、マナにとっての「また」は学校が終わった以降だったのでしょうが、レジーナにとっては違ったようです。
 このあたりでも、レジーナのワガママぶり、せっかちさ、そしてマナへの強い関心を分かりやすく描いていると思いました。
 そしてレジーナは「今すぐ遊びに行こう」と言って、授業を妨害しようとします。レジーナにとっては、「マナは学校より遊ぶことが好き。だからこれはマナのため」という発想のようです。
 しかしマナが説得すると「マナがそう言うなら」と言って了解しました。先ほど別れた時もそうでしたが、自分の意思を押し付けようとするのですが、マナが自分の意見を明言すると、それには従います。
 しかし放課後に再び現れ、マナが生徒会の用事があるのでちょっと待って、と言った時は、言うことを聞きませんでした。「学校ごと壊す」と脅したり、「友達なら、マナの都合を考えたほうがいいんじゃない?」と言った六花の口を塞いだりするなど、強引な手法で、マナを連れ出してしまいました。
 ちょうどその様子を、ダビィの車を待っていた真琴は見ていました。そして、何も言わずに車に乗り込んでいました。

 しかしながら、別に具体的にどこかに行きたかったわけではありません。ただ、マナと一緒にいたかっただけなので、遊びに行く場所はマナ任せでした。
 そこでも、マナが階段に登ろうとしたらそれをエスカレーターに変えたり、ゴミ拾いをしようとすると、「手伝う」と言ってゴミを吹き飛ばし、「きれいになった」と喜んでいます。
 よほど、マナに喜んでもらうのが嬉しいのでしょう。ただ、ゴミの件は、結果的に、道中に散らかす結果になりました。レジーナにとっては「マナの周りのみゴミがなくなればいい」という発想なのでしょう。
 余談ですが、この「ゴミぶちまけ」は世間一般で言う所の「悪いこと」です。それを「ラスボスの娘」が行うのですから、結果的に筋が通っているな、などと思い、笑えました。
 朝からの一連の行動は、「ジコチュー的な発想」の中で、「マナに喜んでもらいたい」という想いがそれぞれよく描かれていると思いました。

 一方、六花とありすは、お茶をしながら朝からの事を話しています。ありすは、レジーナも「さん」付けで呼んでいました。
 そして、「厄介な事になりそうですね」と心配していました。ここでは、「敵と友達になった」事より「ワガママで振り回すタイプの子と友達になった」事を心配しているようです。ちょっとズレながら、かつ鋭い観察力を持つという、ありすらしい感想だと思いました。
 そして「マナちゃん大丈夫かしら」などと話している所に、突然レジーナが現れ「大丈夫よ!」と言います。
 後からマナが現れ、喉が渇いたというレジーナに、ありすの淹れた紅茶を飲ませたい、と来た理由を話しました。
 すると、ありすは「マナちゃんのお友達ですもの」言ってレジーナに紅茶を淹れようとします。そしてレジーナが「すぐ飲みたい」と言いますが、普段と変わらないペースで「時間をかけないとおいしい紅茶は飲めませんわ」と、理由込みで説明しました。
 レジーナはそれを聞き流し、今度はアイちゃんに興味を示します。初対面の時と同様に、アイちゃんは、歓迎の意を示しました。一方でレジーナも「かわいーい!」と大喜びしています。このあたりは、レジーナの「正体」に関する伏線なのでしょう。
 そしてマナが「アイちゃんと遊んであげて」と言い、シャルルがBGMを鳴らします。それを聞いて踊り出したアイちゃんを見たレジーナは心底嬉しそうな表情で一緒に踊り出しました。
 その様子を六花とありすが驚いて見ています。すると、その視線に気づいたのか、ありすに対し、表情を一変させて「紅茶、まだ?」と言いました。その後は振り向き、また笑顔になって踊っていました。
 一息ついたマナに対し、六花は真琴の事を話しかけます。すると、レジーナはダンスをやめて六花の前に立ち、「あたしのマナに馴れ馴れしく話さないでくれる」と言います。
 六花は「マナは物じゃないわ。それに自分とは幼馴染で」と筋道を通して反論しますが、レジーナは聞く耳を持ちません。そして、「マナの友達はあたしだけ。あなたはもう、お払い箱なの」と言い、六花を呆れさせます。
 そしてそのまま、マナの手を引いて去って行きました。ありすが紅茶の事を言っても「いらない」としか言いません。
 その自分勝手ぶりに、二人は「なにあの子」「やはり一筋縄ではいきませんね」と驚き呆れていました。
 六花も、ありす同様「敵」ではなく、「困った子」としてレジーナを見ているという感じになっていました。

 やっと開放されたマナは、自宅で真琴の歌をipodで聞きながら「まこピー」と泣いています。
 それを見ていた六花は「そんなにまこピーに会いたいなら、もうレジーナと友達になるのをやめたら」と言います。
 しかしながら、マナはそれはできないと言います。レジーナに話しかけらた時、ウソではないと思った事と、実際に友達になれると思った、というのが理由です。
 ここでは、先ほどと違い、六花とありすも、レジーナの事を「真琴にとって許すことのできない敵」と考えています。
 二人は色々と説得しますが、いずれにせよマナの「真琴と仲直りをしたい」と「でもレジーナと友達になりたい」という二つを両立させたい、という意思に変わりはありません。
 それを了解した二人は、とりあえず、真琴の様子を見に行くと言います。そして、マナは差し入れのオムライスを二人に渡しました。
 その時、レジーナが入ってきて、またもやマナを連れ出しました。
 そして二人でアイスを食べ、レジーナはまたもや大喜びします。そして、マナに「さすが、あたしの友達、使える」と言い、マナは「せめて頼りになると言ってほしかった・・・」と苦笑します。
 さらにアイスを喜んでいるレジーナに対し、マナは他の三人が好きな味の話をします。すると、レジーナは突然不機嫌になり、「マナはあたしの事だけ考えればいいの。他の子なんていらないの」と言います。
 驚いたマナが反論しようとしますが、聞く耳を持たず「そうだ、いらない物は消してしまえばいいんだ」と言い、三人を襲撃に行きました。

 一方、六花とありすは、収録の合間の真琴を尋ね、マナのオムライスを渡します。
 しかし、真琴は表情を変えず、「何で作った本人はいないの?レジーナと一緒なのね。わたし、マナの事がわからない」と言いました。
 すると六花は「私達にもわからないし、マナ自身も分かっていないから」と言い、それを聞いた真琴は驚いた表情を見せます。
 さらに、先ほどマナが言っていた事を話し、「マナの直感って、昔からあなどれないのよ」と言います。
 ありすも、第1話でマナがカニジコチューに説教した、という逸話をもとに、六花の主張に同意しました。
 マナの家では、レジーナと友達になる事に批判的だった二人ですが、マナの決意を聞いた後は、それをうまい表現で真琴に伝えています。このあたりの描き方も大変印象に残りました。
 さらに、ありすが「真琴さんは心配になりませんか。マナちゃんの事が」と言うと、真琴はちょっと優しい表情になってオムライスに目を落としました。

 するとそこに、レジーナが現れます。そして「あなたたち、邪魔だから消えちゃって」と言って、通りがかりの差し入れを持ってきたスタッフをジコチュー化しました。
 今回のジコチューは、「差し入れ飲め」と言って、缶ジュースをミサイルのように発射します。それを見た六花とありすは「差し入れは無理やり押し付けるもんじゃないでしょ」「まさしくジコチューですわね」と怒ります。
 このあたり、今日の一連のレジーナの行動に対する怒りを暗に表現しており、上手いと思いました。
 しかし、レジーナの作ったジコチューは強く、三人は倒されます。そこにマナが駆けつけると、レジーナは「あたし、マナのために色々な事をしてあげたよね。だから今度はマナの番だよ、三人と友達やめて」と言います。
 もちろん、マナは断り、変身しました。そして闘いとなりますが、レジーナは、マナを攻撃するふりをして、その缶ジュースの向きを変え、三人に当たるようにします。
 そして三人を心配するマナに対し、レジーナは「マナと友達になったばかりにこんな目にあうなんて、かわいそー」と揺さぶります。
 このあたりの、「敵」として狡猾な作戦を取るレジーナ、という描き方も印象に残りました。
 マナは動揺しますが、そこで六花とありすが立ち上がり、ともに、自分達の意思でマナの友達をやっている事、さらにはこのくらい何でもない、といい、マナを元気づけます。
 さらに攻撃を続けるレジーナに対し、マナは真琴をかばい、レジーナに「そんなの、本当の友達じゃない!」と言います。レジーナは「聞きたくなーい!」と怒って攻撃を続けますが、今度は真琴がそれを防ぎます。
 そして「聞きなさい!本当の友達なら、相手の話をきちんと聞くべきよ」と言いました。
 やっと真琴に理解してもらった事がわかり、マナは喜びます。そしてラブリーフォースアローで撃退しました。

 闘いが終わり、マナは「レジーナ、あたしと本当の友達になろ」と言います。それに対し、レジーナは「なにそれ、意味分かんない」と言って去りました。
 その後、真琴は「レジーナとまだ友達続けるの?」とマナに問いかけます。するとマナは、今日一緒に過ごしたレジーナの笑顔を思い出しながら、・・・
 それを聞いた真琴は「わたし、レジーナを絶対に許せない。たとえ、マナの友達でも」と厳しい口調で言います。
 まだ怒りが解けていないと思ったマナは、哀しそうな表情をしますが、続いて真琴は「これが、わたしの本音、本当の友達は本音をぶつけあうんでしょ」と言い、やや婉曲的な表現で、レジーナの敵意は変わらないものの、マナとレジーナの友達づきあいを容認する、と伝えました。
 それを聞いたマナは、「まこピー!」と泣いて喜んでいました。
 一方で、「Club Jikochu」に戻ったレジーナは一人で先ほど貰ったアイスを食べています。そして、「信じられない。あたしに説教するなんて!」と怒ったあと、「でも、本当の友達って何だろう・・・」とつぶやき、そこで話は終わりました。

 歴代シリーズでも初となる、「敵が正体を明かしたまま、プリキュアと友達になろうとする」という話でした。
 本来ならありえない設定なわけですが、それを非常に無理なく描いていました。そして、、当事者であるレジーナとマナはもちろん、それに驚いたり反発したりする、六花・ありす・真琴のキャラ描写がそれぞれ素晴らしく、強く印象に残る話となっていました。
 レジーナの考え方は、一夫一婦制みたいな、一友一友制が前提となっています。これは、ジコチューの世界での標準的な「友達」の概念なのだろうか、と気になりました。
 いずれにせよ、それゆえに、マナの言うことは可能な限り聞き、マナに喜んでもらおうと、懸命に頑張ります。その一方で、「邪魔者」である六花・ありす・真琴は敵視し(まあ、元々敵キャラなのだから当然ですが・・・)、特につっかかってくる六花にはきつい言動をとります。
 その感覚のまま、戦闘モードに突入するわけです。そのあたりの流れの良さにも感心させれました。
 あと、彼女の表情の豊かさも楽しめました。ふくれっ面や威張った顔もそうですが、何よりもその笑顔の多様さが印象に残りました。
 また、「マナの友達モード」と「六花たちの敵モード」の素早い切り替えなども上手いと思いました。

 一方のマナですが、今回はレジーナに振り回されつつ、真琴に怒られてしまう、というかなり損な役回りでした。
 そんな中、レジーナに対して、彼女の気分を尊重しつつも、通すべき筋は通す、という姿勢を貫いていました。
 一方、真琴に怒られた事については、かなりのショックを受けています。今回、「まこピー」と言って涙する場面が、3回もありました。そして、それぞれの泣き方の描写が非常に巧かったと思いました。

 そして、脇にまわった三人の描き方もそれぞれ秀逸でした。
 レジーナの怒りの強さを、「いきなり変身」や、「友達になったマナを無視」という形で表現したのも上手いです。そして、戦闘時に「本当の友達なら」とレジーナに説教する形で、マナの行動を認める、というのにも感心させられました。
 また、正面からレジーナに張り合う六花と、独特のペースでレジーナに対応する、ありすの描き方もいいと思いました。
 さらにこの二人ですが、レジーナの乱入の際には「こんなワガママな子と友達になってマナは大丈夫なの」という感じで心配します。
 一方、その後、真琴に怒られたマナの悩みを聞いた時は、真琴の立場、レジーナが敵である事をしっかり踏まえて、マナに助言します。
 そしてマナの決心を理解した後は、真琴の怒りを収めようと頑張ります。
 このあたりの描き方も、本当に上手いと思いました。
 これだけ極めて異例の設定の話を、違和感なく見ることができたのは、話の筋立てがしっかりしていた上に、五人の描写が秀逸だったからなのでしょう。本当に楽しめた話でした。

 次回も、この「マナの友達になったレジーナ」を軸に話が進みます。ただ、今回と違い、彼女の敵としての本性も出てくるようです。
 そのあたりがどのように描かれるか、また、マナのみならず、六花・ありす・真琴との距離がどのように変わるのか、これまた大変楽しみです。

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