「ヒーリングっどプリキュア」として最後に発表された作品となった映画版を見ました。
当初は「完結編」みたいな感じになるのかな、と思っていましたが、どちらかといえば「番外編」という感じでした。また、タイアップ的な物が多々ありました。
しかしながら、各プリキュアの人柄を丁寧に描く描写が随所にあり、このシリーズならではの良さを楽しむことができました。
筋立てですが、敵側はちょっと複雑すぎる感じでした。妖精であるカグヤに出会い、それを娘として育てていた我修院サレナが、カグヤの命を守るために暴走する、という流れです。
そして、カグヤの命を守るべく、夢のつぼみを入手するために造られたエゴエゴが我修院サレナに反旗を翻すという展開になります。
このあたりは、ちょっと複雑すぎると思いました。
ただ、この我修院サレナのカグヤに対する母の想いと対比させるような形で、花寺やすこが登場し、随所で花寺のどかに対する親の愛が描かれていた、というのは興味深く観ることができました。
設定としては、東京で「ゆめアール」というイベントが行われ、そこにプリキュア四人・ヒーリングアニマルが参加します。花寺やすこが引率保護者として同行していました。
「ゆめアール」というのは、どんな願いも現実化する(ただし上限あり)という設定です。率直に言って、こんな設定がなぜ必要なのかわかりませんでした。
ただし、その設定を利用し、プリキュア四人とヒーリングアニマルの私服を変えた、という設定は嬉しく思いました。その私服デザインを、上北ふたごさんが担当したというのも、漫画版ファンとして感激しました。いずれも、素晴らいデザインでした。
その後、東京各所を回るのですが、新設された国立競技場や大幅改装された宮下公園などが出てきました。
かつてその場所がどうだったかを知り、それが金の力でこのような品のない建造物にされてしまった事を悲しむ元東京都民としては、見ていて辛いものがありました。
ある意味、TVアニメ最終話で指摘があった「地球を蝕むのは人間」を象徴しているような描写だと思いました。
まあ、色々とタイアップがあるようですので、商業的に仕方ないのかもしれませんが…。
一方で、ホテルにおける、四人と花寺やすこの描写は、止め絵がほとんどでしたが、心に残る描写でした。ブルーレイを買ったら、この部分をとくに繰り返し見たいと思っています。
なお、花寺やすこは、半年前に公開された映画でも、かなり重要な役回りを演じています。春秋双方の映画で、ここまで存在感があった母親は初めてです。これにも何か意図があるのだろうか、と気になりました。
さて、今回の目玉の一つとして、「プリキュア5GoGo!」が出てくる、というのがありました。
しかしながら、戦闘シーンをのぞけば、ほとんど出番がありませんでした。
今回のボス的存在である「エゴエゴ」は高木渉さんが演じています。その縁で、氏が演じた、プリキュア史上最も存在感のある敵役であるブンビーの登場シーンまでありました。
ちなみにブンビーは、映画GoGo、オールスターズ2に続き、三度目の映画登場です。もちろん、そんな敵役、他にいません。そもそも、TVの敵役が「秋の映画」に出た、という事例は、筆者の記憶にある限り、ブンビーしかいません。
もしかして、高木渉さん>>>>>プリキュア5GoGoなのでは、などと思ったりもしました。
なお、一回目の戦闘では、春日野うららが、プリズムチェーンでエゴエゴを捕らえる描写がありました。
これを見た時は、「悪いことをしたのはプリキュア(=夢原のぞみ)だけで、敵役であるブンビーは何一つ悪いことをしていないのにしばかれた」というプリキュア史に残る酷い(←褒め言葉)話であるGoGo第9話で、高木渉さん演じるブンビーにプリズムチェーンを仕掛け、「召し捕ったりー!」と勝ち誇る場面を思い出したりもしました。
逆に言えば、それ以外で、プリキュア5GoGoを出す必然性はないのでは、と思いました。まあ、「ゆめアールだからドリーム」という関連なのでしょうが、必然性はありません。
個人的には、やはりフレッシュプリキュアをゲストにして、最後の戦闘では、花寺のどかと蒼乃美希による「ベリーグレース」最終形態で闘って欲しかったものだと、改めて思いました。
というわけで、筋立て的には、「ヒーリングっどプリキュア」ならではの良さが描かれていたところは一部しかありませんでした。
しかしながら、絵的には大変楽しめたところが多々ありました。
先述したように、上北ふたごさんデザインの映画版私服は、本当にいいと思いました。
また、今回の戦闘では、「パートナーフォーム」といって、ヒーリングアニマルと一体化し、その特徴を取り入れ、かつ着物風という非常に印象的な服装で闘っていました。
この「ヒーリングアニマルと一体化」というのも、このシリーズの特徴である、プリキュアとヒーリングアニマルの関係性を重視して描く、の到達点とも言えるとも思いました。
そういうわけで、不満な部分もありましたが、全体的には大変楽しめた映画となりました。ブルーレイ発売を今から楽しみにしています。