第8話の陸上大会話並びに、その時に出ていた、県内記録を出した高美ツバサの伏線を回収しつつ、その時に実現できなかった対決、さらにはその後日談を描いていました。
ここまで、いわゆる「ゲストキャラ」の描き方がちょっと残念に思っていたのですが、今回は、それが完璧で、心に強く残る話に仕上がっていました。
第8話で描いた、沢泉ちゆが走り高跳びを始めるきっかけを再度描きつつ、高美ツバサについても、共通点もあれば相違点もある、走り高跳びを始めたきっかけを、丁寧に描いていました。
ただ、二人の人生観は違います。沢泉ちゆが最優先している「将来」は、家業を継ぐことです。それに対し、走り高跳びでずっと競い合おうと思っていた高美ツバサが怒りを感じます。
沢泉ちゆにとってはある意味理解不能なわけですが、このような多様な価値観を描く、というのは興味深いと思いました。
また、これまでの話を見れば、沢泉ちゆが家業を継ぐ意思を持っている事は明白です。しかし、この話では、「新聞部」のインタビューで、「家では練習をしない」と言わせるだけにとどめ、直截的な表現をせずに、なぜ沢泉ちゆが高美ツバサと価値観が違うのか、を伝えた、というのも秀逸だと思いました。
また、脇にまわったプリキュアとヒーリングアニマルも随所で存在感を出していました。
競技を見れないほど思い入れが強かったペギタンの描き方がうまいと思いました。
また、毎度ながら、非常にリアルに心配する平光ひなたと、沢泉ちゆの気持ちを鋭く見抜く花寺のどかの描写にも感心させられました。
シリーズ序盤では、この三人の友情並びにお互いの気遣いの描き方には何度も感嘆したものですが、それを久々に堪能することができました。
また、沢泉ちゆと「ライバル」について論争するシンドイーネの描き方も上手いと思いました。
沢泉ちゆは、ライバルを刺激する相手とみなし、実際に高美ツバサとのやりとりをきっかけに、走り高跳びへの思いを強めたわけです。
いっぽう、この会話の中で、シンドイーネはダルイゼンとグアイワルを、邪魔者としか認識していない事が改めて明確になりました。
話が終盤に差し掛かる中、この三人の関係が今後、どう描かれるかも気になっています。
沢泉ちゆと高美ツバサの描き方をはじめ、このシリーズの良さがふんだんに描かれた、心に残る話となりました。
次回は、季節外れのビーチバレー話です。当初は、夏に放映すべく用意されていた話なのでしょう。
どうやら、1月末には終了のようで、史上最少話数のプリキュアとなってしまいそうです。
これだけの素晴らしいシリーズがそのような形になってしまうことは残念でなりません。
残る8話、しっかり心に焼き付けようと思っています。