「HUGっと」第16話

輝木ほまれを軸に、十倉じゅんなと百井あき、ハリーとの関係進展、ルールーの変身アイテム奪取と返還などが描かれた話でした。
かなり凝った描写が多々あり、かつ印象深い場面が色々とありました。
色々と感心させられましたが、同時に、詰め込みすぎと感じた話でもありました。

 序盤から、「二人一組」という位置づけで設定説明などをやっていた、十倉じゅんなと百井あきが本格的に活躍した話でした。
実は十倉じゅんなは真面目で風紀委員を務め、一方の百井あきは、雑誌記事を見て輝木ほまれに憧れ、ローラースケートを履いて登校する、などという、ちょっとぶっ飛んだキャラである事が判明していました。
風紀委員である十倉じゅんなにとって、輝木ほまれは「不良」という認識です。そして、シリーズ序盤では、百井あきもそれに同調していましたが、心境の変化が生じ、「ほまれ師匠」と呼ぶなど、180度変わったうえに、幼稚園の頃から一緒の十倉じゅんなと対立してしまいました。

その結果、二人の間に挟まれる形になった輝木ほまれが悩むことになります。
それにハリーが手をさしのべ、二人の間にフラグが立つような展開になります。
そして、その「恋心」的な輝木ほまれの動揺に乗じて、ルールーが変身アイテムを奪います。
敵による変身アイテム奪取と言えば、「フレッシュ」で東せつなが、友人として潜入し、何度も挑戦したが失敗した事を思い出しました。
それだけに、潜入4話目であっさりやってのけたルールーには驚かされました。

そして、十倉じゅんなと百井あきの喧嘩で生じたトゲパワワでパップルが強力なオシマイダーを作ります。
そこで変身アイテムを失くした事に気づいた輝木ほまれですが、その前にルールーが現れ、あっさり返却しました。
それで勝利をおさめますが、「裏切り」がバレたルールーは、パップルの制裁を受けて機能停止し、クライアス社に回収、というところで話が終わりました。

普段と異なる絵柄・演出が多々あり、別の作品を見ていたような気分になりました。
それだけに、必殺技バンクでいつもの絵に戻ったときは、「帰ってきた」という気分になりました。
ただ、異色ではありますが、極めて濃厚な描写が多々ありました。
たとえば、学校でのパップルとルールーとの会話ですが、夕暮れどきなので、日影の位置が刻一刻変化していきます。すると、ルールーは、その影に入らないよう、足の位置をずらします。
しかし、最後にはパップルの命令に従う決意をし、自ら影に足を踏み入れました。
この、ルールーの心境を「光と影」を用いて描いたやりかたには驚かされました。

あと、滑り台で、輝木ほまれとハリーが会話をし、ハリーがビニール傘をわたして去っていきます。
その傘をさした輝木ほまれが、傘越しに青空を見て、雨がやんだ事に気づきます。
この、「ビニール傘越しに見た青空」の描き方も強く印象に残りました。
他にも、夕暮れと川という、プリキュア伝統の舞台を用いた戦闘も、伝統を活かしながら独特の描き方をしており、感心させられました。

というわけで、非常に印象に残ったのですが、ちょっと詰め込みすぎ、という感は否めませんでした。
たとえば、十倉じゅんなと百井あきのいざこざですが、もっと以前の話から、色々な二人の掛け合いなどがあった上で描けば、喧嘩から仲直りまでがもっと深く描けたのでは、と思いました。
ルールーも同様で、潜入から4話でここまで変わるのは、ちょっと劇的すぎるように感じました。
シリーズ構成の都合があるのでしょうが、もっとじっくりと、機械的な性格、プリキュア達と交流しての心のゆらぎ、などを描いた上で、この話につなげれば、より素晴らしくなったのでは、という勿体なさを随所に感じました。

さて、次回は「初期化」されたルールーとの対決のようです。
題名から見るに、いったん、ルールーが退場することになるのでしょうか。
どのようにルールーとプリキュアたちを描くのか、期待しています。