これまで伏線的存在としてちょくちょく出てきていた、十六夜リコの父・リアンが本格的に登場した話でした。
しかしながら、娘である十六夜リコを前にしても、「校長の命により一連の事象を調べに来た考古学者」という立場を崩さず、彼女に対し、父親らしい言動をすることができません。
それに不満を感じる十六夜リコの描写が深く印象に残った話でした。
リアンは冒頭から、「モフルンをいきなり抱き上げる不審人物」として、朝日奈みらいと花海ことはに殴られる、というユニークな登場をします。
さらに、朝日奈家への手土産に、発掘された石を出し、皆に驚かれるなか、朝日奈今日子には感激されるなど、インパクトの強いキャラ立てがされていました。
そして、自分が校長の命を受けて調査をしていること、同時に、三人がプリキュアである事も告げられたと話します。
ここで、リアンは、十六夜リコを特別扱いしません。学者として、かつ仕事で来ているゆえに、意識してそのような言動をしたのでしょう。
しかしながら、それは、十六夜リコにとっては不満と不安となります。
十六夜リコの特徴として、極めて強い承認欲求があります。それが今回も非常に強く出ていました。ししてそれがこの父親に起因しているところがありそうだ、と思わされました。
その後も、父親の言動に対し、口には出さないものの、非常に感情が揺れ動いていました。その、一連の表情の描き方が大変うまく、感心させられました。
また、それに気遣う、朝日奈大吾並びに、その補足となる、「自転車の練習をする父娘」の描写も面白いと思いました。
ただ、朝日奈大吾が、娘の写真集をタブレットで表示する「親バカ」にしたあたりは、ちょっと安易なギャグに逃げた感じで、もったいなさを感じました。
一方、敵側は、第三の幹部・ベニーギョがついに姿を表しました。
今回は、小手調べという感じでしたが、ある意味、ラブー以上の使命感のなさを感じる部分もありました。今後の活躍がおおいに期待されるキャラだと思いました。
その闘いの中で、リアンが身を挺して十六夜リコをかばった事により、彼女の不信・不安は消えます。そして、父親を怪我させられた怒りで戦闘をリードし、トドメにつなげました。
そして、魔法界に帰る前の最後の会話で、リアンはやっと父親としての話をします。当然ながら、そこには、娘への想いが詰まっていました。
最後は、その父親に向けて、愛情のこもった笑顔を見せた十六夜リコの描写で終わりました。
あえて意識して「父親」という面を見せようとしないリアンに対し、十六夜リコも口では文句を言いません。
しかし、それにいかに不安と不満を感じているかを、各場面の表情で非常に上手く描いていました。それゆえに、最後の笑顔がより強く印象に残りました。
このシリーズ、十六夜リコの人柄が本当に面白く設定されており、その描写が色々と描かれます。本当にいいキャラづくりをしていると、改めて感心させられました。
次回は、長瀬まゆみの初恋話です。それを、プリキュア三人と勝木かなが「応援」するという展開になるようです。
長瀬まゆみと勝木かながどのように描かれるか、今から大変楽しみにしています。