プリキュア史上初となる複数本立ての話でした。
しかも一気に11本立て、というショートギャグ集でした。
色々な意味で、プリキュア史に残る話になったと思いました。
冒頭、狂言回しのような感じで一之瀬みのりが登場し、今回は短編集だと視聴者に告げます。
普通なら「主役」の夏海まなつが務めるところですが、これまでの流れを見れば、彼女が担当する、というのは当然、という感じでした。
そしていきなり、「カムイ伝」のパロディのような、「トロピカル侍」から始まりました。
続くOPは映画バージョンでした。また、歌手を声優さんが務めているようで、いつもと違う声で歌われていました。
その後、浦島太郎ネタが始まります。
亀を助けたら、竜宮城に行く代わりに、「鶴の恩返し」的な展開になります。
亀以外にも色々な生物を助けるのですが、なぜかイカだけはイケメンになっていました。
あと、亀を助けるとき、五人が浦島太郎コスで腰蓑をつけているのですが、恩返しに来たとき、夏海まなつとローラの腰蓑が部屋に干してあったというのは芸が細かいと思いました。
また、夏海まなつの想像、という設定で、敵幹部たちが、アジトで日常生活を楽しんでいる状況を描く、という話もありました。
ちなみにアイキャッチも、今回限定の特別仕様で、敵の四人を題材にしたものでした。
後半では、週末公開である映画の宣伝を兼ねて「ハートキャッチプリキュア」が出てくる話もありました。
動画で検索して「ハートキャッチプリキュア」を見ていたトロピカる部の面々が、好き勝手言って、それを聞いた来海えりかが怒って乱入しようとし、それを花咲つぼみが止めます。
というのは実は花咲つぼみの見た夢だった、という「夢オチ」なのですが、これが「ハートキャッチプリキュア」の第1話冒頭と重なっている、というのも面白いと思いました。
さらに、その夢の話を皆にすると、今度は来海えりかが、「トロピカルなプリキュア」として奇天烈なものを想像します。
歴代プリキュアで、こんな対応ができるのは、来海えりか以外にいません。
そう考えると、この短編集は、映画で「ハートキャッチ」とタイアップしたからこそ生まれた作品かも、などと思いました。
なお、そこで来海えりかは自らをモデルに「リンボーダンスプリキュア」なるものを発想します。
漫画版の作者である上北ふたごさんはリンボーダンスが好きで、過去に二回、プリキュアにリンボーダンスをやらせています。それを意識したのだろうか、などと思いました。
戦闘ネタもありました。ヤラネーダを出そうとしたら、その「ヤラネーダの元」を滝沢あすかが、ぶっ飛びフラミンゴスマッシュで地面に打ち込み、その結果、地球全体がヤラネーダ化した、という豪快な話もありました。
また、第15話の「続編」みたいな入れ替わりネタもありました。当初、滝沢あすかと涼村さんごが入れ替わるのですが、この体では貧弱だと、滝沢あすかが筋トレを始めます。
それを見た涼村さんごが、筋肉ムキムキになった自分を想像して震え上がる、という描写が絵付きでありました。
なお、その「想像画」を見た時は、「S☆S」でキントレスキーに筋トレを勧められ、ムキムキになった自分を絵付きで想像したゴーヤーンを思い出したりもしました。
他にも、必殺技名を長くし、それを全部叫ぶ話とか、心霊写真ネタなどがありました。
最後には、また一之瀬みのりが出てきます。そして、「実は11本立てだった」と語る、というオチになっていました。
第1話を見たとき、あまりのギャグ連発に、「今シリーズの主題はギャグなのか?」と驚いたものでした。
その後、強烈なギャグは出なくなりましたが、話の流れは、「ゆるふわ日常もの」的なものが多く、それを楽しんでいました。
そのように描かれた本シリーズだからこそ、できた企画なのだろうな、と感心しました。
シリーズの独自性を象徴するような話だと思いました。繰り返しになりますが、プリキュア史に残る話だったと思います。
次回は、「大人になったら何になる」という感じの話のようです。
過去シリーズで、一度ならず、これにこだわった展開や描写があり、「まだ中学生なのに、そんなにギチギチと自分の将来を決めなくていいのに…」とそのたびに思ったものでした。
まあ、このシリーズでは、そんなギチギチした話し時はならないでしょう。予告もかなりギャグ寄りでした。
今から将来を決める、などはせず、今やりたい事をやる五人が描かれる事を楽しみにしています。