なかよし2017年5月号「プリキュアアラモード」

 アニメ同様、キラキラパティスリーが開業したものの、客が来ず、集客に努力する、という話でした。
 その「宣伝部長」として、宇佐美いちかに任命されたのは有栖川ひまりでした。
 その性格から、断ろうとするも、琴爪ゆかりに「やってみればいいのに」と言われると、「びくぅ!」と反応し、就任を決意します。

 そこからは、中学生とは思えないマーケティングの知識を披露する、有栖川ひまりが描かれます。
 「無印」の雪城ほのかをはじめ、これまでの漫画版でも何度も出てきた「うんちく女王」展開は、毎度の事ながら楽しめました。
 しかし、その知識を総動員して、さまざまな宣伝活動をしたものの、いずれも大失敗に終わります。
 当然ながら、有栖川ひまりは落ち込みます。それに対し、琴爪ゆかりは今度は、「もっと自分を信じてみれば?」と再び話しかけます。
 そして、「お客さんを笑顔にするための、お店なんでしょ。だったらステキなスイーツ作りしかないんじゃないの? スイーツ博士さん」と言いました。
 それを聞いて、剣城あきらは、「ゆかり!」と嬉しそうに言います。やっと彼女が「本気」を出したと理解したのでしょうか。
 さらに、琴爪ゆかりは、看板メニューを作ることを勧め、それを聞いた有栖川ひまりは、得意の「科学」を使って、「レモン汁をかけると色が変わるゼリー」を開発しました。
 それで、お客さんが来るようになり、一定の成果があがった、という話でした。

 話の軸は、琴爪ゆかりの一言一言に反応して努力し、最後には結果を出す、という有栖川ひまり、という構図でした。
 有栖川ひまりの反応については、琴爪ゆかりの圧倒的な存在感と、有栖川ひまりの気弱さゆえのものかと思われます。
 このシリーズは、五人がそれぞれ個性が際立っており、そのコンビ・トリオがどのように描かれるかに期待していました。
 その期待に応えるような形で、琴爪ゆかりと有栖川ひまりの組み合わせを上手く描いていました。
 これからも、このような組み合わせ、さらには、琴爪ゆかり・有栖川ひまりにもう一人加わって描かれる人間模様などを読みたいものだと、大いに期待できた話でした。